akanechann’s diary

日記帳兼メモ帳兼文を書く練習

外へ出たお話

 傷病手当の手続きは済んだ。そのあとで車検の申し込みも済んだ。

 

 さて、何をしようか?やることがない。

 

 この半年間は裏日本の寒さと鬱屈した精神状態でお部屋に籠ってはゲームばかりするの日々だった。

 お外は暖かくなってきたし、元気も出てきた今、それはあまりにも退屈で面白くない。ないのだが他にやることもない、やることがわからないのである。

 

 ここまでを思い返してみると、勉強とゲームと...そのずっと前は運動もやっていた。朝早くから友人と外を走ったり、公園で玉蹴りをしていたこともあった。

 思い返したところでその当時が諸々のしがらみも無く、人生で一番楽しい時期だった事に気付く。当時と私を取り巻く環境は何もかもが変わってしまったけど、確かに運動は好きだったし、楽しかった。そうだ、運動をしよう。

 

 という訳で取り敢えず軽装に着替えて外を走り回ることにした。やや花粉はひどいけど、あたたくて気持ちが良い。

 さしあたっては引っ越してきてからロクに出歩くことも無かった家の周り、から少し離れたあたり目指して走り出したが、途中から流れてる川に引っ張られてどんどん川登へと脱線していった。

 川は生活排水農業用水などなどで、実際それほどきれいなものではないのかもしれなかったが、魚は居るし、土手の花は綺麗だった。掛かる橋、田んぼ、光る水面、虫、長らく私の目や頭には入ってこないモノ達と出会うことができた。

 

 職場ではひどい目に合い、気候は悪く、ヤクザも多い。そんな悪いイメージばかりでそもそも私はこの土地に見向きもせず閉じこもり、今では家の中だけが私の世界のようなものだった。そんな私だったが川登りは都会暮らしで日本の原風景が好きだった私を思い出させてくれた。

 やはり私はこの風景の中、この風景を初めに私に教えてくれたあの場所で生きていきたいと再認識する良い機会になった。

 そんな風景があるここも実際のところ悪いところではないのだろう。むしろ私が望んでいたものの一つの形だったのかもしれない。だけどやはり、まだ私の心が豊かだった頃に入り込んできたあの体験、風景こそが目指すべき、ではなく私が目指したい場所なんだと。

 

 正直言ってまだその移住して自活するビジョンも無ければ、できる事もない。だけども、大体の方針と行き当たりばったりも、根っこに確かな私の意思があれば悪くはないはず。これまでの私以外の価値観で生きてきてしまった頃とは明確に違う部分だと思える。

 がんばれはしないけど、なるようになるところまで持っていくために、日々半歩でも邁進しよう。自分のペースで行ける状況を作り出すところまでは来れたんだ。

 

 さしあたっては日々の生活に例の川を上るという日課が加わった。